子供ができたら学資保険がマスト!という人もまだまだ多いです。
しかし、そんな周りの声につられてなんとなく契約してしまったり、中身をよく理解せずに契約したりする人もいます。
そもそも学資保険は本当に必要でしょうか。
もちろん中には学資保険を契約した方がいい人もいます。しかし、すべての人が子供が生まれたら学資保険を契約すべきかというとそうではありません。
ここでは、学資保険とはなんなのかから、メリットやデメリット、契約した方がいいのか悪いのかまで徹底的に解説します。
学資保険とは?
学資保険とは、一言で言うと「子供の教育資金を貯めることが目的の貯蓄型の保険」です。
子供が大学に入学するタイミングで祝い金や満期返戻金を受け取れるのですが、金額や受け取るタイミングは保険商品によって選ぶこともできます。
一般的には貯蓄のイメージが強い学資保険ですが、その保障内容は大きく分けて3つあります。
①貯蓄
②保障
③医療
どれに重きを置くかによって、返戻率が変わってきますので契約する際は内容をよく確認しましょう。
貯蓄
学資保険の契約をするときに、一番イメージしやすい目的は「貯蓄」だと思います。
子供が大学に入学する時には、ある程度まとまったお金が必要となるのでその資金を毎月毎月貯めていきましょうというものです。
例えば、子供が生まれてすぐの0歳から17歳まで保険料をかけて、大学に入学する時に満期返戻金という形でお金が入ってくる、これが学資保険の基本的な仕組みです。
保障
基本的には増えて戻って来るイメージの学資保険ですが、中には返戻金が100%以下、つまり払い込んだ保険料よりも少なくなって戻って来るというタイプの学資保険もあります。
それなら普通に貯金してた方がマシじゃんと考える人もいると思いますが、それでも学資保険の契約をする理由は、保障がついているからです。
保障とは、パパママが途中で亡くなった場合、亡くなった時点から毎月の保険料は支払わなくて良い、という仕組みになっています。例えば、0歳から加入して17歳で満期を迎える保険で子供が2歳のときに亡くなったら、残りの15年間は保険料は支払わずに、17年間保険料をかけた場合と変わらない金額の返戻金をもらえるというものです。
このような死亡保障など、学資保険には「保障」がついていることがほとんどです。
医療
「医療」というのはそのままの意味で、子供が怪我や病気になった時の医療費を保障してくれるというものです。
一昔前までは、まだまだ社会保障が充実しておらず、子供の医療費というのはそれなりにかかるものでした。しかし最近では「乳幼児医療費助成制度」などの社会保障が充実してきたため子供の医療費負担が大幅に減ってきました。
なので、最近では医療を重視して学資保険を選ぶ人はほとんどいません。
貯蓄性はどの程度あるか、保障はどのようなものがついているかなどを比較しながら選ぶ人が多いのです。
学資保険のメリット・デメリット

学資保険で考えられるメリット・デメリットについて解説します。
学資保険のメリット
メリット1:教育費の強制貯蓄
学資保険の1番の目的は、教育資金を確保することと述べてきました。なので、教育費を「保険」として強制的に貯めることができるのはメリットの一つです。
お金が手元にあると使ってしまう人にとっては、無理矢理教育資金が口座から引き落とされていくので、お金を使ってしまいそうになっても教育資金には手をつけれないという効果が得られます。
メリット2:パパママが亡くなった際の保障
前にも説明した通り、学資保険はパパママが途中で亡くなった場合、亡くなった時点から毎月の保険料は支払わなくて良いという保障が付いている場合がほとんどです。
亡くなった場合の保障が付いているというのはメリットの一つと言えます。
メリット3:満期返戻金が元本よりも増えて戻って来る場合が多い
学資保険の満期返戻率は、95%〜110%の間であることがほとんどです。
100%を上回る返戻率の学資保険の場合、払い込んだ保険料よりも満期返戻金の方が多くなるので、これはメリットのうちの一つです。
また、保険料は年末調整時に生命保険料控除の対象になるので、実質的に返戻金以上の恩恵もあります。
学資保険のデメリット
デメリット1:保険会社倒産のリスク
学資保険の契約をしている保険会社が万が一倒産してしまったら、それまでに払い込んだ保険料が全額戻って来るとは限りません。むしろ、ほとんどの場合元本以下になって帰ってきます。
大手だからそう簡単には倒産しないだろうと考えている方もいるかもしれませんが、実際に1997年〜2008年の間に8社倒産してます。学資保険は18年間という長期にわたって積み立てるのでその間に保険会社が倒産する確率は0ではありません。
預貯金の場合は、「1000万円+利息」は法律で保障されています。つまり、銀行が倒産したとしても、「1000万円+利息」分は戻ってくるということです。
一方で学資保険は、預貯金のような保障はありません。というと、責任準備金があるという方がいるのですが、責任準備金は保険会社が倒産した際の払い込んだ元本を保障するものではないので、払った保険料がそのまま戻ってくるということはありません。
デメリット2:超低金利時代で「増える」という旨味が少ない
最近では、「お金が増える」保険はなくなるんじゃないかと懸念されています。
今は超低金利時代なので、保険商品も長期的に積み立てたとしてもさほど増えたりしません。80年代のバブル期には国債の利率が8%もあったので、それをメインで運用している保険会社の商品も軒並み高い利率でした。
しかし、今は昔よりもぐっと利率は低く、保険会社もそこまで運用で利益を出せないため、商品の利率もさほど高くありません。
デメリット3:中途解約してしまうとほとんどの場合元本割れしてしまう
学資保険は基本的に大学の教育資金を確保するための保険なので、18年間保険料を支払わなければなりません。それまでに解約した場合、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額よりも少なくなることがほとんどです。
解約しなきゃいいじゃんと思うかもしれませんが、18年間というのは思っているよりも長く、その間に何があるかわかりません。どうしてもお金が必要になることもあるかもしれません。
結局、学資保険は必要?不要?
メリットよりもデメリットの方が文章量が多かったので薄々感づいてる人もいるかもしれませんが、学資保険は不要だと考えています。
不要理由1:利回りが極端に低い
普通預金 | 0.01%〜0.1%程度 |
定期預金(5年) | 0.1%〜0.3%程度 |
学資保険 | マイナス〜0.48%程度 |
預金と学資保険の利回りを比較してみるとこのようになります。倒産や解約のリスクがあるにもかかわらず、利率でみると定期預金との差がたったの0.13%程度しかないのです。
「満期返戻金◯%」という数字のマジックに騙されないように!
学資保険の利回りが「マイナス〜0.48%」というのを見て違和感を感じる方もいるでしょう。なぜなら、保険契約時の資料などには「満期返戻金105%!!」などの表記がしてあるからです。
これを見ると、5%も増えているじゃないか!と感じるかもしれません。しかし、よく考えてください。これは18年間で5%なのです。年利で計算すると多くても0.48%程度しかありません。確かに普通預金や定期預金に比べたら高い利率ですが、先ほども言ったリスクがあることを忘れないでください。
学資保険の利回り比較一覧
返戻率 | 支払総額 → 受取総額 | |
学資保険Ⅲ型(ソニー生命) | 106.7% | 281.1万円 → 300万円 |
ニッセイ学資保険(日本生命) | 106.5% | 281.8万円 → 300万円 |
つみたて学資(明治安田生命) | 105.9% | 283.3万円 → 300万円 |
こども共済(JA共済) | 104.4% | 287.3万円 → 300万円 |
夢見る子どもの学資保険(アフラック) | 97.7% | 307.1万円 → 300万円 |
はじめのかんぽ(かんぽ生命) | 96.5% | 311万円 → 300万円 |
不要理由2:安全に貯めたいのに安全に貯まらない
学資保険の一番の目的は「教育資金を確保すること」です。教育資金を確保するためには、安全に貯めたいと思うのですが、説明してきた通り倒産や途中解約のリスクがあるので絶対安全ではないということです。
保険であれば強制貯蓄ができるという方もいるのですが、それなら給与天引きの財形貯蓄を使えばいいだけです。貯蓄であれば元本割れしないですし銀行倒産時も1000万と利息は全額保障されるうえ、いつ解約しても大丈夫です。こちらの方がよっぽど安全なのです。
貯蓄は貯蓄、投資は投資、保険は保険と分けて考えた方が絶対お得!

実は学資保険というのは、教育資金を「貯める」という目的の他に「増える」という投資的な面や万が一の時に「備える」という保険的な面もあるので、めちゃくちゃお得に感じるかもしれません。
しかし、実際は貯蓄で考えた場合は安全に貯まらない、投資で考えた場合は恐ろしく利回りが低い、保険で考えた場合は大した保障は付いていないという、ものすごく中途半端な保険なんです。
学資保険に加入して親が死亡した場合、それ以降保険料の支払いが免除される保障についてめちゃくちゃお得に感じるかもしれません。しかし、例えば18年間で300万円の学資保険に加入し、すぐに死亡したとしても300万円の保障のみなのです。300万円の死亡保障は掛け捨ての保険で考えると、月額300円程度の掛け金で済みます。
学資保険は「貯蓄」「投資」「保険」3つの利点があるということは、逆に言うとそれぞれの利点が分散されているということです。
貯蓄は貯蓄、投資は投資、保険は保険とそれぞれ分けた方がそれぞれの利点を最大限にすることができます。
まとめ
今回この記事では、学資保険は必要ないということで書いているので賛否両論あるかと思います。もちろん、各家庭の状況や考え方次第では学資保険は必要だと感じる人もいるでしょう。
保険の営業マンや親たちに言われるがまま契約してしまうという人はまだまだ多いです。できればなんとなく流されて契約するのではなく、しっかりと仕組みやリスクを理解した上で契約してください。
学資保険に加入するかどうか迷われている方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
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